■2005年9月の「絵てがみコラム」
 

秋雨が上がった小石川植物園で彼岸花をスケッチ。
その名のとおり、秋のお彼岸の頃にすくっと伸びた茎から突然、鮮やかな炎のような赤い花を咲かせる。
根に毒があることから、切花には適さず、野ねずみ除けに、あぜ道や土手に植えたと言う説もあり、淋しい秋の人里の景色に似合いすぎる独特な雰囲気をもっている。
それにしても、葉っぱがない!見た事無い!さっそく調べてみたら花が終わったあと、葉が出て養分を球根に蓄積するらしい。
花の時は葉が無く、葉のときは花が無いのだ。
韓国では「相思華」とも言うらしい。花は葉を思い、葉は花を思う、見えない相手に思い焦がれる……ということ。う〜〜〜ん、メランコリー!

 

 
 
 

9月16日は1977年に交通事故死したマークボランの命日だ。
彼は70年代デビッド・ボウイらと共にグラムロックムーブメントを引き起こしたT.REXのボーカルだ。……という程度しか本当は知らない。
でも彼の命日に彼を敬愛するミュージシャン達が彼を追悼して一夜限りの復活祭を楽しむのだ。そんなミュージシャンのことが大好きな友人の情熱と愛情に後押しされて、かれこれ15年ほど毎年同じ日、同じ仲間と、同じ音楽に浸る。
マークボランの音楽に詳しくなくても(ファンには叱られそうだが…)好きな音楽をやってる!という楽しそうな姿を見る楽しみというか、可愛くて熱い気持ち…というか、それが感じられてやめられないのだ。
大音量と少々タバコ臭いライブハウスで3時間(長っ!)踊りっぱなしは、チョッときついけど、音楽はライブに限る!
片寄った趣味だがライブとかコンサートと言われるものに年間12〜13回は足を運ぶ。そもそも、60年代後半から70年代のピーコック革命(孔雀は雌より雄の方が華麗…という意味でそう呼ばれた)やグラムなファッションを纏って舞台に立つ男の長髪、艶やかな化粧、きらきらピラピラのコスチューム、派手なギター、ロンドンブーツ、そういったグラマラスな類が実は私大好きなのだ。
(え?もう充分知ってるって?)

 

 
 
 

夏服のセールが終わってショーウインドゥに早々とブーツが並び出したとたん、洋菓子もすっかり秋色。最近特に和栗とか、丹波の黒豆とか柿のなんとか…とか、和菓子っぽい素材の洋菓子界への進出が目ざましい。
洋菓子より和菓子の方がカロリー控えめであることは知られているし、国内産だと素材にこだわった、本物?健康?志向…という良いイメージにつながるのかな? ケーキが若い人のデザートというイメージを打破し高齢化社会に向けての商品戦略が進んでいると感じる。黒ごまのプリンとか、抹茶のシュークリームとか増えてるモンね。
洋菓子らしい洋菓子だろうが和菓子っぽい洋菓子だろうが、いずれにしてもこんな甘い誘惑に、からきし弱い私です。

先々週の絵てがみコラムで台風について書いた直後、アメリカのニューオーリンズ周辺を襲った超大型ハリケーン「カトリーナ」、国内でも台風14号は西日本を中心に大きな被害をもたらしました。思い出話とはいえ、「台風見物を堪能した…」という表現は不謹慎だったと反省しています。被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

 

 
 
 

東京湾から小さな船が隅田川を上っていく。跳ね上がる事もなくなった勝鬨橋を望んで橋の左手は築地市場。オフィスビルが夏の終わりの西日を浴びてまだ、けだるそうに働いている…。
こんな贅沢、極々たまになら許されるよね。
女友達三人、仕事帰りに隅田川河口東京ベイのホテルにチェックイン。インターネットで見つけたキャンペーン激安価格の宿泊プランに即決!働く女性をターゲットにしたホテルの戦略にまんまとはまってエンジョイすることにした。
エステも併設されたトリプルのフロアはエレベーターを降りたときからアロマオイルの癒しの香りが誘う。のんびり…だけが目的の私達はワインとチーズ、朝食用のヨーグルト、いい香りのバスソルト、そして部屋を飾り浴槽に浮かべる花を少々、暗黙の持ちこみだ。
わずかな時間の楽しみ方を知っているのかな〜なんて…。
朝それぞれにあっさりと解散。大人のおんなの休み時間という事にしておこう。

 

 
 
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