■2012年9月の「絵てがみコラム」
 

週末、台風の影響を受けてしまいそうだ。27日から千葉市のスペースガレリアで始まった「水彩画4人展」。ギャラリーオーナーのセッティングで一口に水彩画と言ってもタイプの違う、4人4様の50点もの作品の披露となった。
私も初日に在廊させてもらったが、お客様からさまざまな質問も。私の場合ちょっと変わった描き方で…やわらかい透明感が命の水彩画にあんな鋭い墨の線を入れる無謀、墨と同居させるなら普通は岩彩と呼ばれる岩絵の具を使用するのが一般的だ。なのにあえて水彩絵の具。描くのは水彩紙だったり、イラストボードだったり、和紙だったり。最近は特に和紙をちぎったり張ったり、ひとしきりベース作りで遊んでから、さてそろそろ描こうか…なんて、ルール無用でハチャメチャなのだ。
見て下さっているお客様も、面白がっていただいたり、絵手紙っぽいけどちょっと違うわね?と不思議がって下さったり。熱心に見て下さる方はご自身も趣味で絵を描いてらっしゃる方が多く、鋭い質問にこちらの方が勉強になったりする。
ギャラリーの真向いは千葉市美術館、そちらでは「プラティスラヴァ世界絵本原画展」開催中。お近くの方は合わせて是非…と言っても、台風が気になりますね〜。千葉駅からは、歩くとちょっとありますので無理のないよう気をつけて足をお運びください。
詳しくはWhat's Newをご覧ください。

 

 
 
 

「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったもので、長かった残暑もどうやら終わりを迎えたようだ。ああ〜一気に食欲の秋だわ〜〜と言うわけで、イタリアの旅報告がなかなかできないまま、お会いできなかった方にやっと会えて美味しいイタリアンをご馳走になった。( おい!私がご馳走しなきゃだめでしょ〜 ! )
魅力的なメニューのセレクト。中でも「白いんげん豆のトリッパ」と「ポルチーニ茸のグリル」…トリッパとはイタリアトスカーナ地方の庶民的な牛胃袋のトマト煮込み料理。正直、内臓系が苦手で日本でもホルモン焼きやモツ煮込みを進んで食することはないのだが、フィレンツェではせっかくだからと数回試みた。思ったより癖はなく臭みもなく食わず嫌いかな?とも思ったけど、今回食べたトリッパの方が、白いんげん共々やわらかく優しい味だった。
ポルチーニ茸はイタリアの松茸とも言われる、旬の味で香りが豊かなきのこ。イタリアではピザでもパスタでもメニューの中には必ず「Funghi Porcini〜」とたくさん登場するが、ほとんどが乾燥ポルチーニ茸を戻して使ったものやびん詰めだ。フィレンツェの中央市場でも乾燥ポルチーニ茸売り場がドーンとあったが、残念ながら「生ポルチーニ茸」はお目にかかれなかった。すごいよね! 日本人は! 美味しいものと季節感になんてどん欲なんでしょう。
秋の味覚を一足早く、とっても美味しく頂きました〜。

さて、27日(木) 〜10月7日(日) 千葉のスペース・ガレリアにて「水彩画4人展」開催です。詳しくはWhat's Newをご覧ください。
少し前に描いた花の作品や、この絵手紙コラムの原画の中から秋らしい絵を数点、ちょっとイタリアのスケッチも出品予定です。他の3人の作家さんは大変実力派の人気の作家さんばかり。秋空に誘われて?お出かけいただけたら嬉しいです。

 

 
 
 

炎天下の誰もいない公園の横を通ったら、放射能汚染の除染作業で皮をむしられたような、緑の無い庭。濃いピンクのサルスベリだけが赤々と咲いている。
毎年思う。夏の日差しの中で、何もかも干からびそうな炎天下の庭で元気に花を付けているサルスベリ。別名「百日紅・ヒャクジツコウ」文字通り花期が長く3ヶ月くらい、炎天下をもろともせず、ずんずん花をつける。花は鮮やかなピンクや赤や白。良く見ると花びらはヒラヒラととても可愛い。切り花が全然もたないこの時期、花屋さんで切り花として売られていても良さそうなのに…。
そこでふと気がついた。名前が悪いのだ!つるつるした幹が、猿も滑るという表現で名前になったとは有名な諸説。それにしても「去る」も「滑る」も縁起が悪そうな雰囲気が漂った語呂だ。花束にしたり、客間に飾ったり絶対だめそう。気の毒に…。なんて私の勝手な解釈と思って調べてみたら、専門書の最後に生け花としての注意「名前がサル・スベルなので生ける場所に気をつけて」やっぱりね〜〜!
ちなみに、幹がつるつるしていても、猿は滑ることなくへっちゃらで昇るそうだ。

 

 
 
 

行き詰っていた。12月の個展までまだだいぶ日があるとはいえ、得意ではない風景画をメインテーマにしようと決めた時から、こんな苦悩は分かっていたはず。どんどんガイドブックの見どころダイジェストみたいな、分かりやすいけど、こじんまりした絵になって行く…なんとなく違う。
そんな行き詰まりから逃げ出したくて、友達を誘って恵比寿の東京都写真美術館で開催中の写真家・鋤田正義の「SOUND & VISION」展を観に行った。デヴィッド・ボウイやマークボランなど圧倒的存在感のある被写体と、時代を並走して撮影された写真の数々。迫力満点!展示方法も印象的でとても良かった。どんなふうに見せたいか何を伝えたいかVISIONがはっきりしているのだ。
友達は私の行き詰まりを見抜いて、「ホームステェイしていた部屋の窓からの眺めとか、バールで食べたパニーノとか、イタリアから絵手紙コラムを送っていた頃の気持ちや空気を思い出して!」どんな個展にしたいのか、絵が並んだ時の空気感を想像しなくては…VISIONを持って描け! その結果、平凡で上手くもないスケッチでも、それはそれ。

先週の絵手紙コラムで「ぎっくり腰になっちゃった〜!」と騒いだら、沢山のお見舞いメールやら電話やら、「年よ!とし〜〜!」「癖になるから気をつけて〜!」「次やる行動を、体に言い聞かせながらやりなさい!」など数々のアドバイスも。ありがとうございました。速攻、湿布薬を送って下さる親愛なる友にも恵まれ、おかげさまでほぼ全快。3日間は「いでででっっ」と言いながら寝て過ごしましたが、4日目には空っぽの冷蔵庫を補充すべく買い物に出かけました。比較的軽症だったのかもしれませんが、ぶり返さないように気をつけます。ご心配いただき、すみませんでした。

 

 
 
 

今朝、歯を磨いていたら、「ぐっ!いてててて……」もしかしてこれがぎっくり腰? 身体をくの字にしたまま、パソコンの前まで何とかたどり着いて、「ぎっくり腰」を検索。急性腰痛症の通称、重労働やスポーツをした時に限らず…長時間同じ姿勢で椅子に座っている場合にも、突然起こる腰の痛み。炎症を起こしている場合が多く、とにかく冷やして安静に。腰に保冷剤を数個、タオルに巻いて上げたばかりの布団を必死で引きずりおろして横になる。痛いよ〜! 連日10時間以上机に向かいっぱなしが、いけなかったんだろうな〜?
それにしても、突然初めての「ぎっくり腰」とほほである。横になってもそうそう眠くはない。痛いというのは何色なんだろう? 出血を伴う怪我だったら赤いイメージだけど、そういう痛みじゃない。針を刺すようなとんがった痛みなら黄色? 違うな〜〜。もうちょっと濁った黄色に、鈍い紫の組み合わせかな〜?とか。今夜の絵手紙コラムのネタを考える。そのうち腰の保冷剤が気持ちよく…うとうとと。
腰が痛いというのは、すっごく不便で、起き上がるのもトイレに立つのも一苦労。すぐに回復してくれ〜!

展覧会のお知らせです。
■9月27日(木)〜10月7日(日) 千葉・スペースガレリア
 「水彩画4人展」
 3名の作家さんとの共演に参加させていただくことに。
 詳しくはWhat's Newをご覧ください。
■12月3日(月)〜9日(日) 東銀座・銀座煉瓦画廊にて
 イタリアでのスケッチをメインにした個展を予定しています。
 風景画をメインに描くのは、初めての試み。悪戦苦闘中です。

 

 
 
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