■2018年7月の「絵てがみコラム」
 

猛烈に忙しいはずなんだけど、そんな時に限って新しい刺激を求めて現実逃避のように出掛けてしまう。六本木の国立新美術館で30日まで開催中のファッションブランド・エルメスのシネマ体験型展覧会「彼女と」。激戦の予約制!のチケットをゲットして出掛けた。高級ブランドにはほぼ縁がない。エルメスも大昔に初めて行ったパリの本店で買った1枚のスカーフがあるだけかも。本店、本拠地主義なので、そこで買った1枚は旅の思い出とともに、いまだに大切にしている。なのでこの展覧会は何やら新しいスタイルの見せ方らしい…と、先輩のデコレーターさんから教えてもらい、楽しみにしていた。
美術館の展覧会場は大きな映画撮影スタジオに変貌し、私たち観客はエキストラ。撮影を見ながら…参加しながら?スタジオのセットをめぐる。出演者の衣装や小道具がバックヤードに準備されて、シーンの演出メモやスケッチが無造作に置かれている。なるほどね〜その小道具や衣装が2018秋冬コレクションという訳。写真や動画の撮影もOK! ソーシャルネットワークの力で、限られたバイヤーやファッショニスタだけを相手にしたファッションショーとは一線を期した、興味深くちょっとしゃれた展覧会だった。予約チケットはスマホ画面、入場チェックの消印もスマホ画面のチケットにピッと!赤い消印が…まるでマジック! コレクションの価格表記は無く、美術館のお土産コーナーでの商品販売もなく(お土産気分で、ひょい!っと買えるものなど1点も無いと思うけど…)入場料は無料。会場を出てきたら15分後には参加した集合写真が映画のエンドロールのように映像化され、ダウンロードできる…。
ほ〜〜〜っと、呆気にとられる新しいタイプの展覧会だった。さすが! エルメス様ということだろうか。

 

 
 
 

ホームページの管理人さんが夏休みの旅行の為、一日遅れのコラムアップです。
先日、六本木ヒルズの森美術館で開催中の「建築の日本」展を見てきた。入口から木の匂い…ああ! これ! 2015年のミラノ万博で見た日本館のファサードの木組みだ! そこには釘を一本も使わない、日本の建築技術を駆使した木を組んだだけの立体木格子の日本館の入口を一部再建して紹介されていた。(詳しくは2015年7月のイタリアお土産話・8を)派手ではないけれど、古代から受け継がれてきた日本人らしい几帳面な建築技術は、ガラス面ばかりの今時の建築物の中でやっぱりホッとするものだ。展覧会ではサブタイトルの「その遺伝子のもたらすもの」の通り、日本が持つ建築の技術やコンセプトが受け継がれ、今に醸し出されている様子がわかる展示がされていた。立体模型や写真などでの展示ではあるが。
そして、あ〜〜これも知ってる!と異彩を放つ曲面だらけの建築模型。2年前台湾の台中で見た、当時外観ができたばかりの臺中國家歌劇院・オペラハウスだ。白い壁に繰りぬかれたまるで徳利のような格子状の窓ガラス面。そしてコーナーには、何というか…。まるで耳の中のような?吸い込まれそうな穴…。あの奥はどんな風になってるのだろうか…と思わせる不思議なフォルム。日本人建築家・伊東豊雄氏の設計だ。エントランスに広がる浅い水盤にそのフォルムは写り、青い空を映して圧倒的な存在感であった。立体木格子の建築とは対極にあるような気がして一言で建築物と言っても、その幅の広さはすごいな〜と改めて思った。そして興味を持って出かけて行った旅先で出会えたものが、改めて注目すべき建築物として展覧会で紹介されているのを見て、ちょっと嬉しくなった。
今週は仕事の合間を縫って、予約が取れたので国立新美術館で開催中の「エルメス・彼女と」展に行く予定。これも新しい試みの展覧会らしい。楽しみだ。

 

 
 
 

連日の暑さにクラクラしているが、描き続けている息抜きに六本木ヒルズの森美術館へ「建築の日本展」を見に行った。とても見ごたえがあるものだったが、そこに入る前に同じ森タワー52階のスカイギャラリーで始まったばかりの「海の地球ミュージアム」で足を止めた。平たい大きなアクリルの水槽が涼し気に迎えてくれた。水族館などにも久しく行っていないので、あらあら! 目の前に、すごく近くで泳ぐカラフルな魚たちに興奮! 虎の尾のような縞々のトラフザメの幼魚、可愛いオレンジのカクレクマノミ、ルリスズメダイ、砂地にはチンアナゴ、ヒトデも、のっそりゆっくり移動している。
そんな中、心を鷲掴みにされたのが「ハリセンボン」だ。15センチくらいのフグ?いや、フグの仲間でフグ目ハリセンボン科。怒ると体中の…と言っても1000本は無くて300〜400本くらいの針が立ち上がって2倍の大きさになるらしい。この針は鱗が変形したものだとは知らなかった! そしてかわいい顔に似合わず強靭な歯の持ち主だそうで、貝類や甲殻類、ウニなどをバリバリ食べちゃうんだとか。人に慣れて人を認識するらしく一寸指を水上でひらひらさせると寄ってきて、つぶらな瞳をくりくりさせる。そして横広がりな口をに〜っとまるで笑っているかのよう。可愛い奴じゃ〜癒される〜。この針のおかげで天敵はいないのだとか。
沖縄・美ら海水族館の全面協力とのこと、沖縄から大都会六本木への出張?がお気に召したのか、ご機嫌麗しくハリセンボンの、つんつん立ち上がった針と膨らんだ体を見ることはなかった。

 

 
 
 

ああ。今日は七夕だったじゃん! そんなこと忘れるくらい西日本、特に京都や広島、北九州…地方に、記録的な豪雨をもたらし、川は氾濫して土砂崩れがあちこちで起こり、行方不明者も把握できないくらいだという。何ということでしょう。関東は早々に梅雨明けしたと思ったら、ここ数日は梅雨の戻りのような天候ではあるけど、結局雨も大したことなくニュースの画像が嘘のような感じである。最近は季節に起こりえる状況が極端で、予想外な事が多々起こっているような気がする。暑さ寒さが極端で、こんなに整備された国でも、あちこち被害が起こる…追いつかないね〜。被害がこれ以上酷くなりませんように…。
この1週間いろんなことがあった。サッカーはほんのちょっと勝てたかも…と思った針の穴のような心の油断を赤い悪魔たちにこじ開けられ、惜敗した。この3試合の成り行きも、誰もが想像できなかった予想外なことだったのではないだろうか。昨夜久々に見に行った武道館でのライブ、360度1万人相手にギター一人、歌い手一人。飾り気のない何にもない舞台で真っ向勝負だ。想像をはるかに超えた70歳の歌声…。日々、良いことも悪いことも予想を超えたことがいろいろ起こるものなんだな〜と。武道館から出てきたら、外はまだ明るく、秋か?と思うほど涼しい風が…。
帰り道お仏壇用に何か涼しい色の花を買おうと、近所のコンビニに立ち寄った。(この最寄りのファミマには近所の農家さんからの花が、リーズナブルな価格で売られている、私はそれを買う常連さん)そこで目に飛び込んできたのは真っ赤な大きなダリア! うわ! パンチがあっていいかも! 私にとっては想定外の真っ赤なダリア。お仏壇からこっちを見てる。

 

 
 
 

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