■2019年9月の「絵てがみコラム」
 

秋のお彼岸にぴったり合わせるように咲くヒガンバナ、別名曼珠沙華。昔は畑の土手や墓地の周り位でしか見ることがなかったけど、最近は曼珠沙華が街に進出しているように思える。駅前の街路樹の縁や信号脇の植え込みにニョキニョキニョキと茎が伸びて一斉に赤い花を咲かせている。本当に短い命で次の雨で倒れてしまいそうだ。
実家へ向かう途中のお寺の境内に、一面の曼珠沙華…しかし赤だけではなく白やピンク、黄色まで! もう曼珠沙華の範囲では無いのかも知れないけど、お寺の境内には赤が似合うような気がするな〜。「花の下が長い花が好き」(チューリップやカラー、蓮、アガパンサスなど、花の下の茎がびよ〜んと長い花が好きなのである)な私としては、この時期一番気になる花なのである。
ちょっと涼しくなったからか、毎日眠たくて仕方ない。個展の作品制作も佳境に入っていないといけないのに…だらだらしてしまっている。毎度の悩みだけど、産みの苦しみにどっぷりはまっている…ああ。しっかりしろ〜!…毎度同じことを言っている…もう聞き飽きた?

 

 
 
 

箱根、仙石原の秋の風物詩…一面のススキの原。黄金色の穂にはまだ少し早く、若い緑の穂が少し立っている。でも他に萩やアザミなどが彩りを添え私たちを迎えてくれた。子供の頃、箱根には父が勤めていた会社の保養所があり、毎年のように夏休みの数日を過ごしていた。懐かしいその場所を母にも見せたくて、妹とその保養所がどこにあったか記憶をたどって…と言いたいところだが、インターネットの力でそんなものはすぐに解明した。もう宿泊することの無くなった保養所の前で、ちょっとした不審者のように数枚の写真を写して、この旅のミッションはすぐにクリアした。
何度も来た箱根、今回はあの頃はあまり行かなかったエリアをゆっくり回ることにした。この時期に行くならやっぱりススキの原を一度はゆっくり見てみたかった。台風と台風の合間の貴重な晴天に恵まれ、真っ青な空にまだ少し青いススキが吹き抜ける風に揺れて素敵! そしてなんと爽やか! 流石箱根! しかし折角連れ出した母は、「足痛いからそんなとこ歩くの嫌!」はいはい!温泉宿に急ぎましょうか。
停電や断水でまだまだ困っている皆さん! 同じ千葉県民として心苦しい〜申し訳ない〜こんな温泉三昧!!許してくれ〜! 心で叫びながらしばしの休息。久しぶりの母娘旅でした。

 

 
 
 

先日の台風15号の被害に関して、在住が千葉県ということもあり、お見舞いメールやお電話をいただきました。ありがとうございます。ご心配をお掛けしておりますが、幸い私の住むエリアは暴風雨の被害もほとんどなく、停電、断水も全くありませんでした。同じ千葉県でも海沿いの町や割と近いエリアでも停電で、ぶり返した残暑にエアコンも冷蔵庫も無しで現在も苦しんでいる方々が大勢いらっしゃる! 本当に心からお見舞い申し上げます。講座の受講生さんにも木更津の方の方もいらして、ブログを覗いてみると昼間は隣町のショッピングモールで涼んで、夜は網戸にして少しでも風が入る窓辺を探して月を見ながら数時間でも眠る…と。一刻も早い復旧を望みます。作業をされている方も本当に大変だと思うのですが…。
台風が通り過ぎた9日の午後は東京・水道橋のヴォーグ学園での講座でした。私は何とか行ける!と思っていたのですが、交通網がたいへん乱れていることもあり学園全体の全講座が休校になりました。中には頑張って登校された方もいらしたとか。ネットでチェックする習慣のない方などには申し訳ないことを。業務連絡になりますが、今回は他の日に振り替えることが叶わず代替講座は無く、9月は休講に。画題の「きのこ」は、山盛りキノコマリネにして連日わたくし食べ続けております…とほほ。
そんな大変な今週でしたが、昨日は気持ちの良い晴天に恵まれ、兼ねてから予定していた友人たちと奥多摩の方へ遠足。東京都とは思えぬ緑豊かな多摩川の上流、青梅から青梅線に乗り換えて「沢井」というところで下車、多摩川の清流にかかるつり橋や御岳渓谷、勢いよく流れる水音を聴きながら川沿いを散策、ちょっとしたハイキングを楽しんだ。川沿いの茶店で「山菜うどん」と「天然鮎の塩焼き」に舌鼓! 何だかこういうの久しぶり! 山の空気が夏と秋の境界線を告げているかのようでした。

 

 
 
 

社会科は地理は好きだったけど、歴史は苦手だった。時代も人物名も年号も暗記するのが超苦手! そんな私には東京国立博物館での「三国志」展は猫に小判だったのだが、友人からの誘いで会期終了間近の東博に足を運んだ。
会場は高齢の男性が多く、それに混ざって武将モノのゲームやアニメファンの若者が熱心に漫画の原画やオリジナルグッズに見入っていた。最近の傾向として会場内撮影OKの所が増えている。特に退色を気にする絵画以外、著作権、版権の期限を遥かに超えた彫像や焼き物作品は個人で楽しむ範囲で撮影可の展覧会が急増。ちょっと撮影に気を取られて「鑑賞」に集中できないマイナスもあるが、重い図録を買わなくても、自分の特に興味のある作品と説明のキャプションを撮影しておけばバッチリ!という利点もある。現にこうやって写してきた写真を見ながら改めて絵にするのにも便利である。さてそんなわけで?私には「魏」「蜀」「呉」など2世紀末の有力武将たちの雄姿より、ほんの10年前に中国河南省で発見された曹操を葬った墓「曹操高陵・そうそうこうりょう」などから発掘された土器などが興味深かった。当時の暮らしぶりを表した、リカちゃんハウスのような穀倉の楼、素朴な一握りの埴輪のような俑。そんな中にも「蛙」を発見! 祭祀儀礼など重要な場面で使われた青銅の鼓。あしらわれた鳥や騎馬よりも、蛙は力強く、大きく表現されていた。「どうして?」と当時の制作者に聞いてみたくなった。展覧会のそれぞれの楽しみ方、ありじゃないですかね〜?
さて、話は変わって先日東京書店より発売された「筋肉メシ」、3000人を指導したアスリートフードマイスター・今野善久著の表紙のイラストを描きました。詳しくはWhat's newをご覧ください。

 

 
 
 

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