■2025年6月の「絵てがみコラム」
 

前日のたっぷりの雨が緑をイキイキとさせていた。それにしても梅雨はどこへ行った?と思うほどの夏の日差し…でもさすが北鎌倉! 木陰がいい感じ…まだ紫陽花がきれいなはず、北鎌倉で紫陽花が有名な浄智寺と明月院を訪ねることにした。
一人旅でラッキーなことがある。何度も満席で入れなかった美味しいイタリアンの店、「あ〜ランチご予約でいっぱいなんです…あ? おひとりですか? カウンターに一席だけ大丈夫です〜」やった! 大満足のランチを済ませて、徒歩5分ほど鬱蒼とした山の中に入っていくような鎌倉五山、山門が印象的な浄智寺。鎌倉幕府・北条宗政が若くして没してその夫人と子供北条師時を開基にしたと記されていた。木造の仏座像が本堂にまつられ参道の紫陽花とともに小さな竹林も若い葉を茂らせて涼を感じられた。
さてそこから明月院までは5〜6分のはずだが、曲がるところを間違えたようで、出店で物色していた母娘のような二人ずれに「明月院がどこかご存じですか?」と尋ねてみた。!!!!え?! え〜〜! その高齢女性のほうに記憶が…! なんと!小石川に住んでいた時の知り合いで、その方のお店のために絵の依頼を受けたことがあった、その方だったのです! 20年ぶりくらい?「うそ〜〜こんなところで! あなたの絵が好きだったのよ〜また頼みたいな〜って、ずっと思ってたのよ〜〜!」小石川のころの知り合いなんて数名しかいないのに、私もずっとお会いしたいな〜と思っていたその方だったのです。道に迷わなければ、道を聞かなければ叶わなかった再会…。ちょっとお茶をして私は明月院のほうへ。なんだか嬉しい気分で歩いていると向こうから友達が…!「え〜〜うそ〜〜!」なんて日なんだ!
テレビなどで多く紹介されているからか、明月院は結構な人出。紫陽花もまだまだ美しく、本堂の丸窓の向こうに見える絵のような緑の風景もそれはそれは美しかった。紫陽花が素敵な再会をプレゼントしてくれました。なんだか嬉しい一日だった。

 

 
 
 

東京国立博物館の展覧会の話ではない。映画「国宝」を観てきた。吉沢亮と横浜流星の華麗な共演で注目されている、歌舞伎界の裏表をテーマにした映画だ。私の周りではやけに評判が良い。観てきた、観に行くつもり…で視聴率?70%くらいかも。現に平日の昼間だと言うのに4〜50代の女性を中心にほぼ満席で、3時間近くの上映時間にも関わらず、寝息は聞こえてこなかった。歌舞伎は興味があっても数回見たことがある程度で世襲制度や厳しい稽古や…モテモテぶりとか…そんな知識しかない。でも綺麗だし様式美は日本の宝と言える。
物語はヤクザの親分の息子が縁あって歌舞伎界の御曹司と競い合って成長して行く姿を描いているが、明暗、血筋の呪縛、力があっても後ろ盾がないと報われない現実とか…スポットライトと奈落の底が何度も入れ替わる美しくて厳しい映画だった。
歌舞伎ファンはどう観るのか? 私もLive主義なので映画でどんなに歌舞伎界の裏やプライベートを晒されても、イケメンの人気若手俳優が好演しても生で観る舞台は格別でそれが全てと思う人ですが、なかなか見応えのある映画だった…なんて、生意気にも評したりしている次第です。

 

 
 
 

まだまだ知らないことがあるもので…梅雨の晴れ間に実家の母の家庭菜園でジャガイモの様子をチェック。92歳ですもの、畑の草むしりや肥料の追加、豆の支え棒の設置…出来ないことが増えている。周りの畑仲間が全面協力してくれているけど、収穫のタイミングを逃してダメにすることも多々あるみたい。私や妹も母の期待ほどは戦力にならない。暑いし虫はいるし腰は痛いし…でも確かに収穫の楽しみはあるけどね〜。
取り残した紫玉ねぎ数個と、コールラビとジャガイモをちょっと掘ってみた。今年はジャガイモの種芋を植えるところから手伝ったけど、いっぱいミスしてダメっぽい。土を最初から積み上げすぎた。土を被せ足りずに芋が焼けて?緑っぽいのがいくつかある。それって毒らしい。ジャガイモの芽は毒だからしっかり取って調理するのは常識だけど、緑の芋も発芽しているのも傷ついてるのも食べると腹痛や嘔吐、頭痛などの中毒症状を発症することがあるらしい。
それにしてもジャガイモの間にプチトマト植えたっけ? え? どこから出てる? この緑のトマト、え? え? 生成AIで画像検索! えーーー!? ジャガイモの実? トマトじゃないの〜? これも毒らしい。知らなかった〜トマトそっくりのジャガイモの実。花は茄子の花にそっくりで、実はトマトにそっくり!調べ進めてみるとジャガイモもトマトも茄子もピーマンも茄子科! えええー! ジャガイモが茄子科ってあまりに意外! びっくりーー! 知らないこともまだまだあるものだ。

 

 
 
 

今週6月3日、長嶋茂雄氏が逝去された。また1人昭和を代表する国民的なトップランナーがこの世を去った…生まれる前からの阪神ファンとしては永遠かつ絶対的なライバルだった訳だけど、そう言う贔屓のチームを超越した人気者だった。6月3日は父の命日(もう24年にもなるけど)でもあったので一生忘れられ無い日になった。
忘れられないと言えば、一度西麻布の和食屋さんで長嶋茂雄氏と遭遇したことがある。友達がその店でバイトをしていた。働き者で皿洗いから経理まで朗らかにこなすその友のお陰で、お店のオーナーに私の絵を購入してもらったご縁もある。普通なら敷居の高いその店の閉店間際に呼んでもらって、ふぐ雑炊などをご馳走になったり、板長さんとも会話したり、ちょっと背伸びした時間を過ごさせてもらっていた。そんなある日同じカウンターで長嶋茂雄氏とプロゴルファーの岡本綾子さんが楽しげに食事されていて、あまりのオーラでこれはまるで新春特番の豪華対談だなぁ〜さすが東京! さすが西麻布! と感心した。お店の中は長嶋茂雄氏がいる緊張感よりなんだか和やかな雰囲気で、カウンターの他のお客さんも幸運な同席を楽しんでいるかのようだった。人柄なんだろうな〜みんな嬉しいよね〜と懐かしい思い出だ。
その友達も長嶋茂雄氏ももういない。その店も移転した。

 

 
 
 

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