■2005年11月の「絵てがみコラム」
 

季節限定。その言葉には、からきし弱い。
今買わなきゃ!今食べなきゃ!と、心が焦る。
近所の和菓子の名店、季節感のある風流な名前のお饅頭がならぶ。どれもおいしそうだけど、特に栗蒸し羊羹がお薦めだ。栗の甘さと餡のこし具合が絶妙で松風という名のおしょうゆ味の蒸し菓子と合体になった贅沢な一品で、ふたくちくらいで食べれそうなところをちょっと上品に?ケチケチいただく。折角だからおいしいお茶を入れなくては…。
益子の陶器市で買ったお皿があるじゃないか!
裏葉色のほっこりした湯のみがあるじゃないか!
仕舞い込んでいないで、こういうおいしいお菓子がある時に使わなくっちゃね。

 

 
 
 

冬晴れの朝、めっきり冷え込んで足元に落ち葉がカサカサと転がってゆく…。
背丈ほどの山茶花(さざんか)が街路樹として結構植えられていて、花の少ないこの時期静かに町を彩っている。

20年来の友人が病に伏している。もう2年半ほど大きな病気と闘っている。こんな冬晴れの青い空を見ると病室からも同じ空を見ているだろうかと考える。
山茶花が咲いていることを知っているだろうかと考える。
健康の大事さや仕事が忙しい忙しいと言っている毎日がどれほど幸せなことか…と考える。
考えても考えても何の力にもなれないな〜と悲しくなる。
励ましの言葉なんかいらないね。
この週末にはその友人とよく出かけていたコンサートに行く。
彼女と一緒に行けない寂しさに包まれてしまうと思うけど、どんなだったかをお土産話に、また会いに行こうかな?
一枝折ってっちゃおうかな〜?山茶花。

 

 
 
 

とても東京らしい景色に遭遇した。港区芝、増上寺。
浄土宗の大本山で徳川家の菩提寺だ。都営大江戸線の「大門・浜松町」駅を降りて地上に出るとすぐに大きな門とその後ろにすくっと東京タワーとホテル群が見える。
観光バスからアジア系の外国人観光客がたくさん降りて写真を撮りあっている。増上寺と東京タワー、時代も様式も全く異質な建造物だが長い付き合いのコンビのように秋晴れの空に朱赤が妙に似合っていた。
今回この増上寺で開催されたドイツ車のイベントのために、和紙コラージュのアートパネルを制作した。
ホールを飾る大きなものだ。セッティングを確認に訪れ、紅葉の美しい境内をぐるりと散策した。お寺で外国車のイベントとはなかなか格好よいではないか!増上寺の赤い門と東京タワーのようになんかとても東京らしい情景に思えた。

 

 
 
 

11月に入って今年も残り2ヶ月を切ってしまった!
早いですね〜。比較的のんびりした秋だと思っていたのに、友人や仕事仲間の個展や展覧会に出かけたり、かえる秋祭り等のイベント、フリーマーケットも久々好天に恵まれて実施されました。
夏に買ったチケットのコンサートなんかも続いたり、もう年賀状のデザインの依頼や新年号のイラストの仕事など…。
深まり行く秋をじっくり楽しむ時間も無いまま、公私共にばたばた過ごしている。
こんなときは1時間でもチョッと気分を切り替えて現実逃避をしてみる。
旅のガイドブックなどをぱらぱら…パリ、秋のパリいいだろうな〜。
ロマンチックで食べ物も美味しくて…秋のパリと言えば焼き栗とラ・フランス???フランスで洋ナシをラ・フランスとは言わないだろう…。
きのこのテリーヌなんかもいいよね〜。
ちょっとパリ〜な気分でいかが?こんな絵手紙。
さ。仕事仕事!

 

 
 
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