■2006年2月の「絵てがみコラム」
 

その結果を祈りに似た気持ちで注目した朝のオリンピック中継。
気持ちがぱ〜〜っと明るくなった女子フィギュアスケート。
人物描くのも似顔絵もちょっと苦手だけど、今日ばかりは、やっぱり描かなきゃ、荒川静香選手。
私達をテレビの前にくぎ付けにして、あの緊張感とすごい選手達の中で念願のメダルを、しかも文句なしの金メダルを獲得。
強い・美しい! 冷静で凛として努力の賜物なんでしょうね〜このとびきりの輝きは。
久々に少女漫画風の絵を描きながら自分も子供の頃少女漫画家になることを夢見て大学ノートに漫画を描いていた事を思い出す。
きらきら星がいっぱいの目をしたひらひらの服を着た少女達を沢山描いていた。そうだ、フィギュアスケートにはそんな少女漫画のあこがれや夢が集約されているのかもしれない。美しい衣装、素敵な女性達の華麗なる戦い…。
現実は漫画よりはるかに厳しく夢を実現するのは、たやすいことではないけど、努力して実現した人は本当に目の中に星がきらきら。
思わずバックに薔薇の花を飛ばしたり天使を舞い降りさせたり星を一杯描いたりしたくなっちゃった。
夢見る少女が増えてフィギュア王国になったらいいね。

 

 
 
 

開幕から一週間メダル獲得のニュースはいまだ届かない。
あと一歩、あと一秒、あとほんのちょっとが遠い、あまりにも遠い。
世界水準の高さと本番で実力を発揮する事の難しさを痛感する。
もうひとつ気になったのが、選手のウエアの事。
日の丸を背負ってみんなお揃いで!とまでは思わないが、新しい、若さと個性が注目の競技のウエアの色とデザインがばらばらで何だか馴染めない。日本の不振がウエアのせいではないだろうが、パステルカラーのウエアはレジャーっぽいし複雑な柄物も小柄な日本人の体型をよりこじんまり見せているように感じる。
フィギュアスケートのように優美なビジュアルや曲との調和が大事なポイントになる競技は別だけど、勝負服としては弱いと感じたのだ。
強さや速さを競う競技には赤・青・白・黒・濃い黄色、そんなビビットな原色がやっぱりパワフルに見える。原色の持つ力強さ、シンプルなデザインのスピード感、国を代表してオリンピックに挑戦するぞー!という気合を感じるナショナルカラー。そのほうがいいな〜と思ったのは私だけだろうか?
メダリストだからウエアも強そうに見えるのか、強いから格好良いのか、白銀の山々に北イタリアの青い空、ビビットなウエアがなんともまぶしい。

 

 
 
 

春が近いかな?と思えるような日差しに誘われて、イラストの納品のついでに出版社近くの白金を散策した。ファッション誌で良く見るプラチナ通りという洒落たネーミングの雰囲気を味わいに。
普段はコーヒー党だが、思わずパリっぽい紅茶専門店に入ってゆったりソファーに腰をおろす。まわりのシロガネーゼ達の会話に耳がちょっとダンボ。隣の女子大生風の二人はベルギー留学の予定について、こちらのマダム達はホームパーティーのメニューのあれこれ。ふむふむ…ポットいっぱいの紅茶でちょっとした社会勉強だ。
「本日お勧めのチョコレートの香りの紅茶でございます」
ほー! 確かに。チョコレートを食べながら紅茶をいただいているような妙な満足感! おいしゅうございます〜。
お店を出ると意外にも風が冷たかった。まだ春浅い、ほんのちょっとの白金散策。忙しい忙しい…といいながら、こーいう時間を作るの結構得意なのです。

 

 
 
  「お茶室でお香を聞く会、体験してみない?」
突然の誘いだったが、神楽坂で美味しい松花堂弁当付きという魅力的な誘惑に、お茶室という敷居の高さも忘れて参加した。
そもそも着物も着れないし正座も苦手だ。でも興味津々。
中国茶でお茶の香りを嗅ぐための器を聞香杯(もんこうはい)といって、香りを聞く…と言う表現をすることは知っていたが、小さな香炉を持って右手の指で輪を作り、聞き耳を立てるように香炉から立ち上るわずかな香りに集中。微妙な香りを次々に嗅いでゆく。
初春の趣のあるお香の名もいい感じ。しかし、その違いはわからず全問不正解。何の道も厳しい。
でもたまには背すじがピンとする体験もいいもんだ。

 

 
 
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