■2010年5月の「絵てがみコラム」

 

 

「僕たちは味噌汁にトマトを入れたような感じ、意外で新しいテイストを楽しんで」。そんな言葉でライブは始まった。音楽プロデューサーで知られる加瀬邦彦氏率いるワイルドワンズとジュリーの新ユニットのお披露目コンサート。私はグループサウンズ世代ではないけれど、60歳を過ぎた大人の男たちがステージで本当に楽しそうに(でもちょっと、緊張しながら、歌詞を間違えたり振りを間違えたり…)音楽を続けてきたチカラを発揮している様は素敵だった。
確かに味噌汁にトマトを入れたらどんなんだろうと興味や好奇心もあるけれど、お豆さんのトマト煮込みなんておいしいし…などとちょっと想像しながらライブを楽しんだ。こういう年齢になってもプロフェッショナルな演奏と艶のある声、きれいなコーラス、ビジュアル面は少々…だけど、かわいいと思えるような新しい歌、ステージを駆けまわれる体力もなんとか、そして気の合う友達っぽい笑顔のステージ。そういう時間を過ごせることは幸せだろうな〜。
一回きりのイベントではなく秋まで全国30公演近くをこなすという。
おじさんたちはかなり本気だ。本気で楽しんでいる姿を見るのは結構いい感じ!

 

 
 
 

一気に夏日のような日差しに、緑色の日傘をさして(先日コラムに書いたカタログギフトでもらった傘ではなく、折り畳みの傘だが、そ〜いえば4本持ってる折り畳み傘はすべて緑色だ。緑色好きだから仕方がない。)個展のDMが出来たので、銀座の伊東屋に届けに出かけた。予告宣伝してもらうためだ。
そしてその足でカエル好きの聖地?吉祥寺へ。この街にはなぜか、カエルグッズ専門店やカエル友の会会員さんが経営するレストランやミニギャラリーなどが点在する。みんな小さくてかわいいお店だが、カエル愛に満ちていて笑ってしまう。カエルグッズ専門店以外は初めての訪問で、カエル好きなお客さんに私の個展「愉しい蛙日和」をPRしていただこうという、地道でマニアックな「カエル営業」だ。
「え?村西さん?ご本人〜!わ〜光栄です〜こんなところまでわざわざ」などと持ち上げられてしまった。やっぱり、カエル業界では、ちょっぴり有名だったかも? というか、カエル好きな人には、なぜかモノ作りをするアーティストが多く、グループ展をやったりイベントで交流したり、かえる友の会も情報交換など活発で、フレンドリーなのだ。
私は好きなものには、そこそこ徹底しないと気が済まない性格で、ファン道の王道として友の会やファンクラブに正面玄関から入って、基本を習得しないと「ファン」だなんて言うべからず!というのが私の持論。(生の蛙は苦手…とは、大きな声では言えないが) カエル型の最中の皮をかぶったアイスクリームが乗った、ククゥオリジナルのプリンを頂きながら、「松本の蛙祭りにも行ってみたいですよね〜」「あそこは、本場?ですよね」「カエルハイシーズンにはいろいろイベントが重なって忙しいですよね〜」とカフェのオーナーさんと話していたら、「蛙お好きなんですね?」とカウンターの隣の席のお客さんが、ささささっと折り畳んだ緑色のいろがみにハサミを入れて、4匹の手をつないだ蛙君を作ってプレゼントしてくださった。恐るべし!蛙マニアな世界。西日に蛙色の日傘をかざしてクラクラしながら、帰宅した。
さて、このコラムの中に蛙という言葉はいくつあったでしょう?

 

 
 
 

朝晩ちょっと寒いくらいだけど、気持ちの良い五月晴れに誘われて、初めて徒歩圏内のちょっとした名所巡りをしてみた。毎日個展のための絵を描き続けているので、ちょっと気分転換。住宅街を抜けて旧街道沿いの立派な生け垣の旧家を見ながら、小さな神社やお寺を覗いたり、春の寒さに例年より一週間遅れて満開を迎えているという藤棚を見つけたり…。(また、近所の名所?についてはゆっくりと)
しかし、5月の日差しは結構強く紫外線も真夏と変わらないという。風が強いので帽子も日傘も心もとない…ちょっとした散策でも、また、しみ・そばかすを増やしてしまったに違いない。
日差しと言えば、最近目覚まし時計より先に決まった時間に目が覚める。ここへ越して来てから窓にはカーテンではなく木製のブラインドを取り付た。オーダーメイドではないので2枚のブラインドの間に微妙な空きがあり、安物なので夜しっかり全閉したつもりでも、一枚ずつの羽の間にも隙間があるようだ。昇った太陽と絶妙な角度でストライプ状に私の
枕元を直撃するのだ。ピカーっと目元にウルトラセブンの変身の時のように(古すぎる?歳ばればれ)目覚めの一撃のような朝の日差し。枕を逆にしたら北枕になっちゃうし、カーテンを取り付けるのは面倒だし日焼け止め塗って寝るのも嫌だし。此処かな?と思うあたりの窓枠に布や紙を張って応急処置をして寝るのだが外れる。このぶんでは私、顔に横ストライプの日焼けをしてしまうのではないか…と、心底心配。
え?もうちょっと日が昇る前に早く起きれば?…って?確かに。

 

 
 
 

新宿伊勢丹での手描き扇子イベントにお越しいただいた方、どうもありがとうございました。行楽日和に恵まれた今年のGW、郊外にお出かけになった方も多かったようで、手描き扇子のご注文もGW明けの6日が一番多忙でした。「ファンなんです〜!」と毎回駆けつけて下さるお客さんもいらして感謝の極みです。
さて、ほっと一息と言いたいところですが、実は来月6月7日(月) 〜17日(木)まで、去年に引き続き銀座伊東屋・ミニギャラリーでの個展の企画を頂きお引き受けすることに。テーマは「蛙」。カエルグッズコレクターとしてすっかり、おなじみになってしまいましたが(KKW参照)集めるだけじゃなく、自ら蛙を描きグッズを作っちゃったりして、もう趣味だか仕事だかわけわからない!
でも、なぜかカエラーにはアーティストが多いのです。2年前横浜高島屋での陶作家の有川京子さんとの二人展やグループ展の経験はありますが、「蛙」がテーマの個展は初めて。ここんとこ毎日、蛙のことで頭がいっぱい!(…って、どんな生活なんだ!)もちろん水彩画の作品がメインではありますが、季節柄団扇や扇子や手ぬぐいもかかせないと、新柄の蛙デザインを発注。団扇は伝統の手作り房州団扇、扇子はもちろん江戸扇子の老舗伊場仙、手ぬぐいは伝統梨園染めの戸田屋商店という本格派。他にも色々計画中。
楽しみにしていてケロよ〜ん!

 

 
 
 

不安定な春が過ぎて、やっとさわやかな風と日差しを感じる5月。道端の草木も一気に芽吹いている感じ。そんな中、以前から気になっていた淡い朱色のひなげしの花。細い茎や、ひらひら儚い花びらとは裏腹に、コンクリートの路肩のツツジの植え込みの脇や足元に、たくましく増殖して咲き誇っている。雑草と呼ぶには可憐だが、誰かが植えてる気配もない。
ちょっと調べてみた。花が終わった実の部分が長細いので「長実(ながみ)ひなげし」と言うらしい。1961年に東京で発見された帰化植物、アルカリ性の土壌を好むのでコンクリートでアルカリ化した、路傍や植え込みに繁殖する(へ〜!) 行政が新年度の予算で街路樹の剪定や除草する5月ごろには、もう種ができて、除草機の振動によって種子を周囲にまき散らしてしまうようで、除草の意図とは逆に翌春、益々増殖しているようだ。(面白い〜〜!)そんな見解のサイトを見つけた。現代人の暮らしと共存する、したたかな植物と言えるかも知れない。

さて、毎年恒例の伊勢丹新宿店・母の日ギフト企画の「手描き花扇子」
5月3日(月)〜6日(木)7階の呉服フロアにて手描き実演販売をいたします。
(11時頃から〜6時半ごろまで注文受付予定)
お買い物のついでがありましたら どうぞお立ち寄りください。
楽しいゴールデンウィークになりますように!

 

 
 
 

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