■2013年2月の「絵てがみコラム」
 

海外のエンターティメントにはトンと疎いのだが、昨年春、イタリア滞在中に何度も耳にした音楽があった。Barやランチを食べに入ったPizzeriaで、雨宿りしたカフェのTV画面で、断片的ではあったけどPVを何度も目にした。
よほどヒットしているのだろう、印象的なサビの部分が耳に残り、思わずBarのお兄さんに「あの音楽は何て言うの?紙に書いて」とペンを渡した。それを見せてCD Shopで購入を試みたが、「No!」だと言う。売り切れかな〜?空港でも見当たらなかった。帰国してその書いてもらったメモがアーティスト名でもなく曲のタイトルでもなく、見ていたその番組名?お店が契約していたチャンネル名だと分かった時には後の祭り。全く手がかりを失くしてしまった。日本のCD Shopでどんな曲と聞かれても、ロックっぽい歌謡曲?グループだったかな〜?イタリア人???PVでは三角関係みたいで喧嘩しているような画像だったけど…。それだけのヒントじゃお手上げだ。ずっと気になったまま忘れていた。
すると、年末朝の情報番組でグラミー賞候補のダイジェストを伝えていた。え?え!え!え!今の!ちょっと待ってもう一度! ほんの数小節、記憶の音が合致した。グラミー賞候補?この大きなヒントですぐにそれは判明した。ああスッキリ!アメリカのやんちゃそうな3人組、Funの「We Are Young」えーーー!イタリア人でもイタリア語の歌でもないジャン! しかも小学生でも分かりそうなシンプルな単語!じっくり聞いたわけではないとは言え、英語かイタリア語の区別もつかんのか〜!と自分に突っ込みを入れたくなりますが、世界的にヒットするって、こう言うことなのかな?言葉なんかわからなくっても、なんか耳に残る。 勝手に自分の思い出とシンクロさせて、私にとってのイタリアの思い出の歌なのだ。
先週、この歌はグラミー賞の年間最優秀楽曲賞と最優秀新人賞を受賞した。

 

 
 
 

久しぶりのMADAMADAMのメンバーとの会食。如月の新年会? 今回は手芸作家の淳子さんが以前から興味津津だった赤坂の沖縄宮廷料理・昼懐石御膳とあいなった。
沖縄料理そのものも詳しくない。ラフテー、ちんすこう、シークワーサー、島豆腐…一番ポピュラーになったのはゴーヤチャンプル。それくらいしか知らない。しかしそこは宮廷懐石料理、丁寧に丁寧に仕度された繊細な料理の数々。ゴーヤチャンプルなどは出てこない。干瓢のような歯触りのパパイヤのイリキー、タンカンで甘く鮮やかに煮詰められた丸十蜜煮。ズッキーニの田楽もなかなか美味。時間をかけて脂身を4分の1に落としたラフテーも上品な味わい。アーサーと言うアオサのりの鮮やかな緑が美しい白魚のシンジョウ、雲丹とオーマーミー(緑豆)の炊き込みご飯も春色で美しい。ざっくりとやや野性味のある印象だった沖縄料理のイメージとはだいぶ違う一味一味でした。
MADAMADAMも結成12年。蛇年の置物をデザイン制作した時から干支が一周したね、と懐かしく話がはずむ。一緒に企画制作する機会は減ったがそれぞれの動向に刺激を受けながら、陰ながら応援して、お疲れさん会を積極的にやる同志…って感じでしょうかね〜。
継続は力なり!こういう美味しい同志?も継続は力なり!だよね?

ケロケロworldに昨年末から新しくGETした蛙たちを一挙20匹ご紹介しました。今回もますます個性的でオーダーメイドや一点ものの「すごい奴」ばかりです。お楽しみくださいね。

 

 
 
 

今週は偶然にも「見る」ことが続いた。月曜日、思いがけないお招きで赤坂ACTシアターでのお芝居「遠い夏のゴッホ」を見て来た。松山ケンイチ初舞台、タイトルからして勝手に画家ゴッホの自伝かと思いきや、全く違って昆虫の世界の異色のラブストーリー。主役の松山ケンイチは蝉の役。予備知識ゼロで席に着いたので、え!?蝉!?と分かった時には「夏」の意味がひまわりの絵とは全く別物の心地よい驚きに包まれた。そしてキーパーソンは「カエル」。ふふふ。
水曜日は大雪の予報を裏切って、大したことない寒い一日。こんな日こそとダッシュで近所のシネマコンプレックスへ。レディースデー価格で遅ればせながらの映画「レ・ミゼラブル」を。壮大な物語は大きな画面でどっぷりその世界に浸る。超大作を見終えた充実感と感動で、涙が乾くのを待って席を立った。
金曜日はお墓参りの帰りに初台で友人と待ち合わせ。東京オペラシティアートギャラリーで開催中の「新井淳一の布・伝統と創生展」を鑑賞。同氏は三宅一生や川久保玲らのファッションの世界でも知られる、手仕事が光るユニークな布作り作家だ。私も友人も表情のある「布」が大好きで、こんな面白い布を見つけた自慢をし合うほどだが、一部触れることもできる展示方法も楽しみながら鑑賞した。
2月も半ば、まだ今年の目標やテーマが定まらない自分が情けない…。
色々見て、考えて、刺激ある世界に浸ってみて…考えて…。

 

 
 
 

思いがけない贈り物を頂戴した。甘酸っぱい香りにふわっと包まれた。日本橋・千疋屋総本店の苺、しかも桐箱入りだ! たっぷりのクッションをのけると、大きなくぼみのある白いトレイに12個、寸分たがわぬ美人揃い! しばし見とれるほどの美しさだ。どれもきれいな円錐形、真っ赤で艶々、直径4.5cm、上品な緑のスカートをはいて行儀よく並んでいる。香川県産「クイーン・ストロベリー」とある。女王様なのね〜。
冷やす間もなくひとつ食べてみた。中まで赤い!グルメ番組だと「きゃ!あま〜い!」と言うところだが、絶妙な甘酸っぱさなのだ。なるほどね〜「美味しい」とは美しい味と書く。甘いだけが良いわけではない。果物独特の甘さ、酸っぱさみずみずしさ、そのバランスがとれているのが美しい味と言えるのかもしれない。
それにしても桐箱入り…いったい一粒おいくら?500円?もしかしてもっとだよね? きゃ〜〜! おすそ分けと言っても、柿やナシを2~3個とは違って苺の3〜4粒って持って行き辛いよね?来客の予定もないし、(もちろん、御仏前に2〜3時間は供えるけどね)やっぱり心して一人で食べようっかな〜。ふふふ。当分冷蔵庫に桐箱…奇妙な光景だ。

 

 
 
 

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