■2013年3月の「絵てがみコラム」
 

銀座の話題が続きます。そしてイタリアマイブームも継続中。
銀座8丁目、もうかなり新橋に近い中央通りの喧騒から少し逃れた静かな地下に、お気に入りのイタリア料理のリストランテがある。イタリアではいわゆる食堂を表す名詞がたくさんある。庶民的なトラットリーア、オステリーア、タヴェルナ、ターヴォカルダ、ピザの専門店ピッツェリーア、一番気軽なバール…。そんな中、大皿で取り分けてワイワイと言う雰囲気ではなく、出来ればコースで食べたいちょっぴり高級感のあるお店がリストランテ「Sotto l'Arco・ソットラルコ」。
昨年、イタリアから戻ってイタリア料理と言っても地方色が強いことを知って、一人で訪れた南イタリア・プーリア州の味をもう少し追及して食したくなった。「銀座・イタリアン・プーリア州」で検索して引っかかってきたのがこの店。若いご夫婦の小さなお店だが、シェフがプーリア州カロヴィーニョの一つ星レストランで修業されたそうで、私が訪れた白い町オストゥーニの隣町だと知っていたら、あのイケメンドライバーのCosimoに頼んで立ち寄ったのに…と後悔。食いしん坊には要チェックのエリアなのだ。何と言っても目の前に広がるアドリア海! 海の幸が素晴らしい! そして一面のオリーブ畑、あっさり塩とレモンとオリーブオイルだけでも美味しいに決まっている。ぐぐっと和食に近づいてくるようにさえ思える。そんなテイストが私の絵に共通の物を勝手に感じていた。
何度か通っているうちに、ご厚意で私の絵をお店にしばらく飾っていただけることになった。久しぶりの女友達とゆっくりお喋りランチや、何か記念のスペシャルな日にお薦めのお店だと思う。(ディナータイムはまだお邪魔したことが無いのだが、1コースのみというこだわりが、丁寧な仕事を想像させる。)詳しくはWhat's Newをご覧ください。

 

 
 
 

ああ。もうすぐなんだね? 銀座歌舞伎座のお披露目。12月の個展の時はギャラリーの窓から隣りの工事中の歌舞伎座のわき腹が見えてたっけ? ギャラリーのオーナーが「2月ごろにはほぼ完成して4月までに奈落の底などの大掛かりな舞台装置のテストを繰り返されるそうよ」と教えてくれた。
工事の幕が取り外されて4月のオープンに向けて、地下からのエスカレーターも大きな提灯の下がった赤い柱の地下街も、一足早く動き出していた。お恥ずかしい話、全然歌舞伎には詳しくなく3回くらいしか見たことが無い。柿落としの演目が描かれた物を見入る見物人を横目に、確か「こけら落とし」の「こけら」って木の破片のことだったよね? 新築や改築の工事の時に木材の木くずが屋根などに残っていて、それを最後に払い落としたことから、その建物の完成後初の興行を柿落とし興行という…ということを聞いたことがあった。
でもなんで「柿」って書くのかな〜?その木材はかきの木だったのかしら?と思っていた。ええええ〜〜!?「柿・かき」じゃないの? 知ってました? 知らないのは恥ずかしいこと?「柿・かき」の字は木へんに市、つまり、「亠」と「巾」。柿落としの「柿・こけら」は木へんに市…う〜〜んこれじゃあ判別できない!「一」と「冂」を書いて縦棒が上から一本貫く「市」という字らしい。知らなかったな〜そんな字とその違い。最もJIS規格など、なんだか色々認識が違ったりデジタル表示など一緒になっているものもあるそう。難しいね漢字。ま、なにはともあれ晴れやかな春のお披露目ですね。
気の早い桜が、駆け足で満開を迎えているようですが…。

 

 
 
 

銀座で、ちょっとお茶しようか〜と言ってホントに日本茶を飲みに行く人は多くないだろう。大概、珈琲か紅茶。でもたまに訪れるのが「うおがし銘茶・茶・銀座」。先日もデコレーターの先輩とちょいと一杯!ラッキーなことにホワイトデースペシャルで、いつもより一品多め。
まず最初に一口アイスワイン、それからその日のお薦め煎茶、今日の甘味はアンジェリーナのプチモンブラン。それに日本産の紅茶が付いてきた。どちらもほんのちょっとだけど、おしゃべりの間にタイミングよく運ばれてくる一口がうれしい。そしてホワイトデースペシャルということでお抹茶に白いマシュマロが2つ。これで700円はお得感満載だが、マシュマロが少し溶けて甘めの抹茶オレのようになってしまった。〆は、もう一度煎茶が欲しかったね。なんて、どれも少なめだからエンドレスに甘め、渋め、さっぱり目…と繰り返したくなる。キリないじゃんか〜!
三寒四温、しつこい寒さもそろそろ終わり、やっと春かしらね〜なんて思っていたら、この数日中に桜の開花宣言が出そう。マンションのごみ捨て場の横に、背丈ほどの桜の木がある。ソメイヨシノでは無いだろうと思うけど、昨日の朝、ゴミ捨てに行ったら、えええ〜!?うそ!満開!いつの間に〜!
思いっきりアップで花を覗きこんで、思いっきりくしゃみをした。

 

 
 
 

ああ…とうとう本格的デビューをしてしまったようだ。季節の病い「花粉症」。去年まで、ちょっと目元がムズかゆいという程度だったのに。ここ一週間くしゃみ連発、鼻グシュグシュ、毎日微熱があるような…。遅ればせながら薬を飲む羽目に、もう手遅れ?
私マスクが苦手なんだよね〜鬱陶しくて大嫌い。街ゆく人のほとんどが花粉症予防、風邪予防と分かっていても変な病原菌を持った不気味な集団に思えて、近寄りたくない、仲間に入りたくない。どうして日本人だけ異常にアレルギー症なの? 日本だけ花粉がいっぱいなの? 今年はそれに加えてPM2.5やら黄砂やらトリプルパンチだと言う。外国人から見たら異様な光景だろうな〜。何とかならないんだろうか?毎年各社マスクの品質、高機能を競い合っているけど。
「花粉症対策万全でお出かけください」なんて言ってるけど、嫌だよ〜マスクが嫌いだ!…ってマスクに罪はないんだな。花粉症がいけないんだね。

 

 
 
 

カレンダーをめくった。懐かしいCinziaのアパートの窓、丁度一年になる。
去年の3月はこの窓からの景色を眺めて過ごした。この窓枠の下の洗濯紐にパンツを干してCinziaに叱られた。「洗濯は私が週に一度やる。水が勿体ないから毎日洗濯は止めてほしい」と。シャワーのついでの下着の手洗いもとがめられた。節電節水のちょっと苦い思い出だ。
フィレンツェでの時間を「一年前のこの日は」と、リアルタイムに思い出す。我ながら素晴らしい構成のカレンダーだわ。(自分で制作したMangiare Viaggiare Amoreのイタリアスケッチカレンダーを見ながらの独り言でございます)
月日がたつのは本当に早くて…。そうだ東日本大震災から丁度一年の3月11日は日曜日だった。アパートの近くのオーニッサンティ教会のミサにちゃっかり信者のように参加した。小さいけどとっても素敵なお気に入りの教会で、心から被災者の冥福を祈った。おそらくシスターたちも一人紛れ込んでいる日本人の「今日の祈り」の意味を察してくれていただろう。
震災のあったその年の3月は銀座の伊東屋ミニギャラリーでの個展の予定があった。余震も多く計画停電やら営業時間短縮やらで開催も危ぶまれたが、こういう時こそ綺麗なもの、明るい色を人は望むものだと言われ決行した。
実はその時、以前からご縁があった色彩学校が主宰する「東日本支援クレヨンネット」へ売上金の一部を義援金として贈らせてもらった。傷ついた子供たちの心を癒すための「画材」に充ててもらうためのささやかな支援だ。そのアートセラピーやボランティア活動の様子などは新聞などでも何度か紹介され、怖い思い出を無理やり思い出させて描かせるものではなく、心の棘を抜くように時間をかけて浄化させていくような力が「絵や色にはある」と信じている、と記録画集はまとめている。
その記録画集「東日本大震災〜子どもの絵が語る心の記憶〜」に関してはWhat's Newをご覧ください。
今日は強い風が吹いている。また、新しい3月が始まった。

 

 
 
 

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