■2016年5月の「絵てがみコラム」
 

今日は一日、伊勢志摩で行われていたサミットの話題と、アメリカの現職大統領として初めての訪問となった「オバマ大統領の広島訪問」を報じていた。感想としてはTVキャスターや広島市民のインタビューとほぼ同じだけれど、しみじみ総じて日本人って、おとなしくって、きちっとしてて、心穏やかな国民だな〜と。喜怒哀楽を表現するのが本当に苦手だけれど、この物静かな国民性が平和を作っていると思いたい。なんとなく心がじ〜んと来る一日だった。
さて、サミットのほうは思わず、前々回日本で行われた2000年の九州沖縄サミットの事を思い出す。もう16年も前のことだけど、各国元首大公使・随行員への公式贈答品の扇子や団扇のデザインをしたことで、いつまでも私自身の歴史に残っている。クリントン大統領やブレア首相、シラク大統領の時代だ。夏の暑い沖縄での開催ということもあり、扇子や団扇はタイムリーな話題で新聞の取材などを受け、驚くほど大きな顔写真入りの記事になった。
新聞には年齢まで記載されていたので、嫌で恥ずかしかったけれど、当時癌で入退院を繰り返していた父が、病室で先生や看護婦さんに自慢している様子を聞いて「ああ良かった〜」とささやかな親孝行が出来たようで、ホッとしたのを覚えている。世界平和も世界経済の問題も、話が大きすぎて身近な問題に思えないけど、ささやかな接点を見つけて、ぐっと自分の事として思いを寄せることが大事なのかもしれない。
父はその翌年、夏の初めにこの世を去った。ああそうだ…命日も近い。

 

 
 
  「和」を体験するって面白いんじゃない?と、友達とランチとおしゃべりだけじゃない一日を過ごしてみることに。扇子の仕事をしているととても身近なもののはずなんだけど、改めて挑んでみると悪戦苦闘!
まずは新御徒町で江戸風鈴の絵付け体験。空吹きで作られたガラスの球体(もちろん下面は抜けています)そこに内側から(ちょっと若冲風?)筆を差し入れて描いていくわけです。金運を招くと言われる金魚や勝ち虫のトンボ、魔除けの花火などの夏の風物詩がお手本の題材ですが、もちろん私は蛙と蓮に挑戦! 球体面の裏側から描くのだから難しいに決まってるよね。とほほ…10個くらい練習したい出来栄えでした。
昼食は手打ち蕎麦と江戸前穴子の天ぷらとわらび餅。美味美味! 江戸扇子の伊場仙を見物したり、佃煮屋さんや楊枝専門店を覗いたり。
そして午後からは日本橋、小津和紙博物舗にて手漉き和紙の体験! こんなに日々和紙を使っているのに、漉いてみたことは無かったのです! 根気のいる几帳面な繰り返し作業は苦手…と思っていたら、やっぱり!たった一枚のA4の紙を漉くのに、あ〜あ〜あ〜あ〜私だけ落第! よれるは、ムラだわ、ひし形だわ…とほほ。虎の子の一枚を持ち帰り、早速それに描いてみた。今日の、とほほな一日を描くにふさわしいその和紙に。うん! 描き心地は悪くない。(アホな子ほどかわいいというやつですね^^)
楽しい江戸風流を体感する散策の一日でした。ちょっと癖になるかも?
さて、久しぶりにケロケロワールドを更新しました。Coffee Break-16からNo.951〜No.970までの新しい20匹。いよいよ1000匹が近づいて参りました〜!
 
 
 

へ〜! 以前から気になっていた場所に足を踏み入れてみた。東京駅前旧東京中央郵便局舎内にある、「インターメディアテク・学術文化総合ミュージアム」日本郵便株式会社と東京大学総合研究博物館が協働で運営しているとかで、太っ腹の入場無料。平日の昼間だったせいか、見学者は数名。動植物、鉱物、貝とか角とか骨とか…やだ〜!すっごく面白い! 展示の仕方も空間も落ち着いていて格好いい。標本コレクションの展示を見ると4年前のフィレンツェを思い出す。スケッチのレッスンでLuca先生と博物館のコレクションを連日スケッチした。そんなに遠い世界のものでは無いのに、決して日常ではしみじみ見ることのない「それら、珍しいもの」は好奇心のパズルが頭の中の空間にピタピタっと収まっていくように、心地よく響く。研究員風のコスチュームの学術員さんに尋ねたら、写真撮影は不可だけどスケッチはOKとのこと。しとしと雨が降る鬱陶しい平日の午後など、まったりここに入り浸ってスケッチしたいな〜と思ったりして…。
個展が終わるといつも、数日は腑抜け状態だけど、それが過ぎると自分の中の「熱」のようなものが放出された隙間を何かで埋めなきゃ!と、なんだか焦ってとりあえず目からの吸収を…とばかりにいろんなものを見に行く習性があるようだ。
今週は他にも、知人のぬいぐるみ作家のAmi さんが参加されていた「不思議可愛い、動物作品たちと出会う日・FANTANIMA」を丸善・丸の内本店のギャラリーに。ロシアからの出展など摩訶不思議な独特な世界を堪能した。そして自分も一応出展している「RYOKUICHI3周年記念展」を見に両国へ。これは写真家さんも参加されていて、勉強になる。それから日本橋三越本店で開催されていた「昭和のスターとアイドル展」(これは完全に趣味だ^^;)を見に行った。週明けには新国立で開催中のルノワール展を見に行く予定。
バラエティー豊かで何を自分に吸収できるか全く分からないけど、個展のあとは、ま〜こんな感じだ。

 

 
 
 

銀座伊東屋での作品展を応援していただいた皆様、ありがとうございました! 芳名カードには嬉しいお言葉や感想が並んで感激しています。おかげさまで多くの作品たちが旅立っていきましたが、戻ってきた作品たちも、納戸にしっかり片付けられ、晴れの舞台を終えた安堵感が。そして当の本人は伊勢丹での扇子イベントが今年はなかったので、久しぶりのゴールデンウィークを楽しんでおります。隔日くらいに仕事とレクリエーションと。
大好きな益子の陶器市にも、妹夫婦の車で母と一緒に出かけました。5月5日は文字通りの五月晴れ! 5時起きで6時出発!実家の筑波で母を乗せ、田植え間近の水をたたえた田んぼに筑波山の緑が美しく映えて「わ〜綺麗だね〜新緑だね〜田舎の里山にこいのぼり!」そんな景色を楽しみながらのドライブ。益子に到着したのは8時半! それでももう陶器市の人出はスタートしてる…みんな早起き! もういくつか好みのお店(小さなテントの出店)は決まってるけど、今回は多肉植物用の個性的な器をGetすべく新規開拓も。収穫アリ! いい感じに根付いたら、そのうち報告しますね。他にも何気ない小さな湯呑が益子焼らしくって気に入っている今後も絵のモデルさんとして活躍してくれそうだ。
さて、5月10日〜15日、水彩画教室の作品展などでお世話になっている両国のギャラリー「フリースペース・緑壱」3周年記念展に参加します。伊東屋での作品展から2点出品します。他に写真や書の作家さんたちの作品もバラエティー豊かに前期後期で14名の作品が並ぶそうです。お近くの方は是非!詳しくはWhat's Newをご覧ください。

 

 
 
 

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