■2017年4月の「絵てがみコラム」
 

文京・肥後細川庭園の「松聲閣」でワークショップ「色彩と墨にたわむる…」が、気持ちの良い好天に恵まれてゴールデンウィークの初日に開催されました。去年に引き続きのリピーターの方も増えて、おかげさまで今回も楽しんでいただけたようです。
今回のテーマは「緑の聲をきく…」まさしく緑あふれる手入れされた庭園を、和室からゆったり眺めながら…テーブルにも様々な緑の葉を活けてみました。緑の呼吸が見えるような、緑の風を感じるような、そんな空間でのひと時。なかなか日常では味わえない時間ですよね? 私自身も皆さんの描く緑に癒されながら、心地良い疲れで終えることができました。ありがとうございました。
さて、ゴールデンウィークも始まったばかり。皆さんはどんな予定があるのかな?
世界の情勢は暗雲立ち込めていますが、少しでも良い時間が過ごせますように。

 

 
 
 

あら? 珍しい猫の絵? それにしてもどこかで見たことがあるような…。そうです! あの「歌川国芳の猫」をなぞり描き! 春先から取り掛かっていた仕事が出版に向けて最終段階。5月26日発売に決まった。
大人の塗り絵ブームの次はこれ?名画のなぞり描き。私自身は通常の筆に慣れているから逆に「筆ペン」は苦手だったんだけど、初めての人にもとっかかりやすい筆ペンでなぞってみよう!という本です。「筆ペンでなぞり描き 国宝・鳥獣戯画と国芳の猫、北斎漫画」(日本文芸社・刊)現代のアニメの原型とも言われる葛飾北斎の北斎漫画や、蛙マニアにはちょっと光栄な鳥獣戯画を私自身が筆ペンでなぞり描き。それを下地になぞってみましょう〜!という訳です。案外難しいけど結構面白い!
それに山種美術館特別研究員の三戸信惠先生の解説でユニークな謎解きも、読み物としてもとっても充実の一冊に仕上がりそう。私自身とっても楽しみなのです。
詳しくはWhat's Newで。プレスリリース用のフライヤーをアップしました。まだひと月以上あるけど、年賀状用に買った筆ペン(毛筆タイプの筆ペン)を、これで活用してほしいな〜。一足早くお知らせでした!

 

 
 
 

2015年の夏にオープンしたという天王洲アイルの「PIGMENT」にやっと行ってきた。そこは伝統的な日本の画材、岩絵の具などを中心に和紙や筆、墨などがモダンなミュージアムのように展示された美しい店舗だ。
膠を溶いたり岩絵の具を砕いたり…そんな作業がきっと性に合わないと日本画は敬遠していて、実は手を出していないのだけど、水墨画系統?はご存じのとおり、中学生の時からの長い付き合いになっている。「書」に親しんでいた父の影響で筆や墨は十分にあったので、自分の絵の中にそれらはずっと存在していたように思う。でもここの画材ラボのような空間には見たこともないような、多種多様な筆や刷毛、硯など博物館級の物も。仮にもプロの絵かきなのに、画材にこだわらな過ぎて、普段お手頃なものしか使っていない私には、もう目の毒!というか憧れまくり、興奮しまくり!
店舗デザインは建築家の隈研吾氏。竹の美しいウェーブ状の天井、壁一面のガラスの瓶にグラデーションに並べられた4000色の岩絵の具の美しいこと! ゆったりした店内には大きな机もあり、筆や墨の試し書きもできるとか。ああ長居してしまいそうだ。
日本の伝統画材だけかと思ったら、奥の壁には「ZECCHI 」の見覚えのあるロゴ。ああ、イタリア・フィレンツェの古い画材屋さん! フィレンツェ滞在中に何度か雰囲気を味わいに?立ち寄った。思いがけないところでの再会だ。そこの画材屋さんのオリジナルの水彩絵の具も(固形のパンタイプの、大きさはパソコンのキーボード1文字分くらい)1色ずつ、まるでキャンディーのようにガラス瓶に…わ〜素敵〜使ってみたい〜! 1色1000円前後! うううう〜いつか「ここの色全部頂戴!」って大人買いしてやる〜って、もう十分大人なのに…ね。とほほ。

 

 
 
 

葉っぱを少しちぎってはサラダに加えていたんだけど、この花が好きで咲かせたくて、残しておいたルッコラの花が満開だ。満開の話題なら桜でしょう?と言われそうだけど、ご存じ無い方も多いだろうと描いてみた。
野菜の花特有のちょっと地味目の大根の花とかに似ているけど、象牙色の4枚の花弁に紫色の脈のような線がくっきり! どうやらこの花や花の芽もサラダに入れたり、てんぷらにしたりして食べることができるらしい。まだ食べたことないけど、葉っぱと同じくゴマのような風味があるのだろうか…?
さて、新入社員や新入学生が新しい服を着て、靴ズレして痛そうに歩いているけど何ともフレッシュ! 私はちょっと気の晴れないことがあって、冴えない4月。でもグチグチ思ってても、仕方ないので新しいことに気持ちを向けよう!
かねてからご案内していますワークショップ。4月29日文京区の肥後細川庭園内にある松聲閣で開催します。普段絵の具や筆や墨に触れることが無くなったけど、僅かな時間ちょっと集中して、久しぶりに触ってみたいな〜体験してみたいな〜という方にはぴったり! 美しいお庭の見える和室で色や墨と戯れてみませんか? まだ少し残席有りだそう。参加ご希望の方はWhat's Newのフライヤーの画像を拡大して、直接アトリエNESTにお問い合わせ、お申し込みくださいね。よろしくお願いいたします。

 

 
 
 

危険と不運はすぐ隣にある。今週テレビを賑わせていた格安ツアー会社の倒産のニュース。実は昨年の夏の台湾旅行はここのツアーだった。ツアーと言っても航空券とホテルとその送迎と、業界で言うスケルトン(私は放し飼いツアーと呼んでいるけど)。中身はすべて自由行動で、こだわりの台中遠足は自力でプランを立てた。電車の時間を調べてチケットを買ってタクシーのコースを決めて…そんな面倒も旅の醍醐味で私はこんな放し飼いツアーが好みなのだが、半年後そんなこだわりのコースはしっかりその会社の周遊コースに組み込まれていた。
ネット中心で人手を掛けず、シンプルに薄利多売がこの会社の得意とするところだと思っていた。しかし、急激に大手旅行会社と同じような至れり尽くせりのゴージャスなツアーが増え、立派なパンフレットがどんどん送られて来ていて、これのどこで利益が出るのだろうかと思うほど安く、多彩だった。すごいな〜大丈夫なのかしら?と思っていた矢先だった。「らしさ」を捨てて突っ走りすぎたんだろうな〜。こちらもそれぞれの旅行会社が得意とする点をしっかり見極めるべきなのだろう。
そして、先日ロンドンのテムズ川にかかるウェストミンスター橋で起きたテロ。友人たちはつい最近、旅行中にそこで写真を写したよね〜と…。被害者たちは特別なことをしているわけじゃない。それは他人事ではなく、危険と不運は本当にすぐ隣にあるのかもしれない。
なんとなく、花冷えで心もどんより〜な1週間だった。お教室で描いて残った桜餅に、熱いほうじ茶淹れて…ちょっとほっこりしましょうかね〜。
千葉のスペースガレリアでの「マトリョーシカ&たまご」展に足をお運びくださった皆さま、ありがとうございました。会場の様子をWhat's Newにアップいたしました。

 

 
 
 

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