■2014年2月の「絵てがみコラム」
 

週末の大雪がまだ足元にザクザク残る月曜日、雪を溶かす日差しに誘われて久々に北鎌倉に行ってきた。知人の鎌倉彫の作品展を拝見に。
北鎌倉駅からほど近い、東慶寺の入り口にある東慶寺ギャラリーでの展示会だ。今まで知っている植物柄などの深い手彫りで重厚なイメージの鎌倉彫とはまた全然違った、シャープでモダンな作家3人の洒落た作品群。丁度ケーブルテレビの取材カメラが訪れていて、「御客様、お手に取ってご意見ご感想を」なんてインタビューされてしまった!知人の作品展でもあるし宣伝になれば…と、旅の恥はかき捨て!とばかりにちょこっと応えて逃げ去った。
お寺の境内に入ると三分咲きの梅がほのかに香り、何とも気持ちの良い初春の空気!良く見るとその枝に一羽のメジロ…無心に梅の花芯に顔を突っ込み、ついばむ様子。素敵〜まるで絵のような、日本画のお手本のような光景〜。そうだ!つい先日、仕事で紅白梅の古木にメジロと言う絵を描いたばかり。「梅にうぐいす」とよく聞くけど本当は、うぐいすが里に出てくるのは3月4月ごろ。実際に梅の枝にとまっているのはメジロの場合が多い。と調べて勉強したばかり。まるで絵のような…そうよ!絵になりますよ!描きましたとも!残雪を楽しむのに最高のシチュエーション。平日の鎌倉は人も少ないしね。素敵!素敵!
雪に苦しむ北国の方、立ち往生した方、雪かきに足腰が痛いとお嘆きの、あなた…すみません。

 

 
 
 

心臓が口から飛び出しそうだ。ショートプログラムではあんなに完璧だったのに…オリンピックと言うのは本当に恐ろしく特別な空間なんだろう。それを証拠に、メダル目前の男子フィギュアスケート・フリー最終グループの演技は、みんなボロボロだった。フィギュア好きの友人は試合のライブ映像なんて、とてもとても見れないと話す。優美で綺麗なスポーツだけど、微妙な心理状態や緊張がビシバシ伝わってくる。見ている方も息苦しい競技だ。子供のころからの夢を実現した者、20年の競技スケート人生に別れを告げる者、気持ちが伝わって来すぎてジャンプの失敗にいちいち涙が出そうになる。
気持ちを逸らすようにブラインドの隙間から外を覗く。しんしんと雪が降り続いている…。日本時間15日午前3時過ぎ、昨日からの記録的な大雪、すでにベランダの手すりには15センチほどの積雪。決して大満足な出来ではないだろうけど、日本男子初フィギュアスケートでの金メダルが決まった。こんな日が来るなんて!少し前では考えられない!「西洋人とはスタイルが違う!」その一言で諦めていたのにね。
子供の頃と言えば私の子供の頃の夢は、少女漫画家になること…なんて時もあった。大学ノートにせっせと描いていた。学校の休み時間にはクラスの女子の間でそのノートは回覧され、「続きを早く!」とせかされまた昼休みに描き続けたっけ。一応、絵を描く仕事ができているので子供のころの夢の一部は実現できたのかもしれない。
今日は久しぶりに。少女マンガ風に描いてみた。キラキラ眼の中に星も描いて髪をなびかせて…キラキラした氷上のドラマを見せてくれてありがとう。

 

 
 
 

いよいよ、ソチオリンピックが始まる2月8日。天気予報は10年に一度の大雪の予報だ。天気予報当たるかな〜?なるべく外出を控えるようにTVのニュースは伝えている。先月お墓参りに行っておいて良かった。今日は彼の命日。丁度5年になる。時がたっても毎日悲しい。でも時間は止まらず私は歳をとってゆく…。
この絵てがみコラムもオリンピックについて何回描いただろう。2006年のトリノオリンピック、2008年の北京、2010年のバンクーバー、2012年のロンドン、そして今回のロシア・ソチオリンピック。この分では2020年の東京オリンピックもあっという間。げ〜〜〜!やめてくれ!そんなに早く歳を取りたくな〜いと、机の下で足をバタバタ、心をジタバタさせてみる。
5年と言うと結構な日々だと思うけど、私は何をして来ただろう。たいしたことは何も成し遂げていないな〜。改めて反省してしまう。アスリートたちは確実にメダルに向かって努力して進歩して成果を出すだろうに…。そんな反省自体が少々年寄り臭い気もするが。とりあえず夜更かしして開会式でも見ようかな?眠いの我慢するくらいささやかな努力だね?え? 意味無い努力?
寒いね〜やっぱり雪になるかな?今日は一日暖房つけっぱなし…花瓶に挿した桃の枝のつぼみが、一気にほころんだ。
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今日の雪で作った「雪カエル」をケロケロワールド・Coffee Breakにアップしました。季節限定のCoffee Breakをお楽しみください。
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私は大阪出身なので親戚の冠婚葬祭や関西圏の友人も多く東海道新幹線を利用する機会も多い。昔は東京〜新大阪間は3時間10分だったが、今ではのぞみで2時間半ほど。駅弁を食べてちょっとおしゃべりしている間に到着。居眠りするにはちょっと心配なくらいだ。以前デザイン会社にいた頃は先方のデザイン会議に出席するために早朝に乗って、車内でまだ足りないデザインスケッチを描いていたことも。出張や取材旅行でも何度となく利用している。もう何十回も便利に気軽に…今日は東京〜大阪、日帰りで「見たい欲」を満たすため遊びに行って来た。昼食も夕食も駅弁だ。このコラムの下書きも帰りの新幹線の中で書いている。
そういえば子供の頃、新幹線に乗るのは凄〜いことで、洗面スペースの水飲み場に備え付けられていた、ぺったんこの紙コップを記念に何枚も持ち帰ったものだ。知ってますか?カードケースくらいの簡易紙コップ。新幹線の中でしか見たことの無い物で、学校に持って行ったらちょっと自慢だったりした。歳がばれちゃうね。
一度、満席で仕方なくグリーン車の切符を買った。夕暮れ時の富士山が見事に黄金色に輝いて、呆れるほど美しかった。やっぱり高い料金の席から見える富士山は違うな〜と、訳のわからない感動を覚えたことなどを思い出した。
新幹線は楽しい時間を過ごした心地良い疲れを乗せて、あっという間に岐阜羽島あたりを通過。車内販売のワゴン早く来ないかな〜コーヒーが飲みたい。

 

 
 

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