■2020年8月の「絵てがみコラム」
 

先週の土曜日に続いて今週もリモート風?絵画教室の土曜の午後だった。リモートと言ってもこちらは画像をスマホで送りあってアドバイスするというちょっともどかしいアナログなレッスンだけど、かれこれ半年近く月一のペースで続いている。早くみんなで集まってわいわいおしゃべりしながら描きたいね〜と毎回言いながらも、少しこのスタイルに慣れてきた。
残暑厳しい今日など一瞬でも窓を開けたら、もわ〜っと熱風が入って来る。一歩も外に出たくない…一歩も外に出なくて良い幸せをかみしめながら熱いミルクティーを傍らに土曜の午後を過ごしている。時々みんなから各自の作画の進捗状況が送られてくる。手直しするべきところは慌ててその写真をパソコンに送ってプリントアウトして、その画像に手を加えてメモしてそれを写真に撮って送る…。それぞれがそれぞれの状況で、それぞれのモチーフを。悪戦苦闘しながらもすごく集中して描いているのが伝わってくる。1時半ごろから始めて気が付けば6時…。こんな土曜日の午後スマホとにらめっこ、眼も肩もちょっと疲れたけど幸せな時間かもしれない…。
こんな時代もあったねと…思い出す時が来るかしらね〜。

 

 
 
 

いろんなことが規制され延期や中止やで後退している毎日だけど、ちょっと一つ実ったことがある。思えば8年越しのコラボレーションだ。
2012年の春、2か月イタリアフィレンツェにプチ留学した際に知り合った職人さんとのコラボ扇子が店頭に並んだのだ。フィレンツェ木象嵌の家具修復の修行中だった望月貴文氏は、その後自らの工房を構えフィレンツェ唯一の木象嵌専門工房として注目されるようになっていた。2015年、フィレンツェを訪れた際も何か仕事でコラボしたいな〜と思っていたが、丁度そんな折り、長年専属デザイナー的に仕事で関わっている江戸扇子の老舗・日本橋「伊場仙」の商品開発で唯一無二な高級な商品のプランを任せられたのだ。スペインの老舗カルボネル社の香木の扇子にそのフィレンツェ木象嵌の細工を施して伝統と技術のコラボレーションをしたらどうかと提案、それが実現したという訳。
木象嵌細工の柄のデザインは日本的な「浪裏」「青海波紋」そして縁起物の「瓢箪」を私がデザインしフィレンツェの望月氏に依頼、2018年にフィレンツェを訪れた際にはサンプルチェックをしたり木の種類の説明を受けたりして商品作りは進行していた。かなりスペシャルな扇子に仕上がり、革製の扇子入れもセットした皮革の色は思い切りフィレンツェを意識したイタリアンオレンジをセレクトした。銀座和光や新宿伊勢丹で販売されている。
自ら感じた「フィレンツェの風」を形に出来たようで…久しぶりにとてもうれしい出来事だ。

伊場仙のホームページでこの商品が紹介されています。
・イタリアフィレンツェの木象嵌作家・望月貴文氏のホームページ
・この絵手紙コラムでもアトリエ訪問の様子を描いています
 2012年3月18日「工房探訪」
 2015年7月4日「チャオ!」
 2018年4月14日「特別なモノ」

 

 
 
 

8月15日、終戦記念日ですね〜お盆ですね〜思い切り夏休みですね〜。
それにしても暑い! 連日35度越えで40度に迫る日も。エアコンもタイマーをかけて就寝しても切れると同時に目が覚めて、またエアコンをオン! 一昨日から28度でつけっぱなしで寝ることに。コロナ感染は相変わらず拡大の一途でマスクは必須だし、とんでもない夏ですね。
お盆だし実家には帰ったけど今年は帰省自粛の配慮もあり、例年なら数日泊まって母と絵手紙の特訓?などしてのんびり過ごしてくるのですが、今年は日帰りにしました。月に2度は訪れる隣の県在住ですが、高齢の母とご近所さんのことを考えて〜なんて…ふと、自分も高齢者の枠にキッチリ入っていることを自覚せねば! あ〜やだやだ!
同じフリーランスの身で、特に出かける必要性がないまま引きこもり続けている同志と、そろそろリハビリでお茶でもする〜?そ〜ね〜横並びのランチだったら大丈夫かしら〜〜そんなメールのやり取りだけの今年の夏でございます。
暑中お見舞い<残暑お見舞い<猛暑お見舞い<酷暑お見舞い<炎暑お見舞い申し上げます。

 

 
 

遅い梅雨が明けたとたん案の定猛暑だ。コロナは拡大する一方で、お盆休みを前に楽しいニュースは全く無い。
マスクを着けたまま、体温チェックをしながらのカルチャースクールのお題は、先月空や雲の練習をしたので今月は「風景を描こう」という訳で各自写真を持ち寄っている。でもなかなかピンとくる写真も無いようで…そうですよね〜旅行に行っても人物が入った記念写真や旅館でのお料理の写真とか…絵に描きたいようないい具合に空が入り込んだ写真ってなかなか無いものですよね。まして旅行に行けないこんなご時世、新しい写真がない。そんな受講生さんのために、私もアルバムやデータからピックアップしてプリントして持参している。
懐かしい旅の写真は一瞬にしてその時の様子を思い起こさせる。相当何度も振り返っているのに、まだまだ新たに思い出したことや当時たくさん写し過ぎて、さら〜っと流していた写真の中に新鮮な発見があったりして。丁度インスタグラムでも南イタリア好きの人とプーリア州の白い街「OSTUNI・オストゥーニ」の写真で妄想旅行を楽しんだり…。暑さのせいか、白い壁の小さな町にアドリア海から吹く風がなんだかとても心地良く思い出されたりして。
そしてもう一つ白い町「LOCOROTONDO・ロコロトンド」という可愛い名前の街にも行ったな〜と。2012年のイタリアプチ遊学の時の絵手紙コラム(2012年4月)を見直しても、移動の途中の町として1行しか触れていない。手前のオストゥーニでスケッチする時間を取りすぎて、あんまり時間が無くなっちゃったけどドライバーのCOJIMOがちゃんと連れて行ってくれた丘の上の丸い町。ロコロトンドとは丸い所という意味だったよね確か…。町一番のきれいな教会を見学していたらお葬式の行列が入ってきてそそそそ〜っと退場したことや、トイレ目的で仕方なくBarに入ったことや。
楽しいことが多い時は、勿体ないことに貴重な体験を1行で流してしまっていた。少し反省して?妄想旅行で涼ませていただこう。

 

 
 
 

日曜日の昼下がり、ピンポ〜ンとインターホンが鳴った。「○○宅配便で〜す!」モニターには見慣れた友人の顔! え? 何? どうした? 玄関のドアを開けると少し離れて友人が立っていた。紙袋の片方の取っ手を持って、へっぴり腰気味に「サプライズ! プレゼントのお届けで〜す! ハッピーバースデー! ソーシャルディスタンス! ソーシャルディスタンスだから中から取って〜」と。紙袋の中には私好みの黒のバスケット。「元気そうでよかった! じゃあね! バイバイ!」友人はそう言い残して大きく手を振って一瞬で姿を消した。え? 何? もう帰っちゃうの? もちろん受け取り印を押すこともなく…。都内在住で電車を乗り継いで、おそらく4〜50分はかかっただろうに…モノの1分くらいの出来事で呆気に取られてしまった。
後から、ちょっとくらい上がってもらえば良かった、こっちはデロデロの休日スタイルだけどお茶位出せばよかった…慌ててメールをしたけど返信は無く…。すぐに電車に乗ってしまったのだろう。帰宅後「宅配の人はお茶しません。玄関で失礼します」と返信が。なんと、この時代のスマート対応なのだろうか。なかなか会食もままならず、元気〜? なかなか会えないね〜そのうちね〜と言ったまま何か月もたっていたけど、洒落たソーシャルディスタンスな再会だった(1分くらいの)。黒いバスケットの中には他にもいろいろ嬉しいプレゼントが詰め合わせられていた。ありがたき幸せ!
さて、新型コロナウィルスの感染拡大が止まりませんね〜感染者がどんどん、ぐんぐん増えちゃっている…どうなっちゃうのかな〜。
私が墨彩画の講座を持たせていただいているハート&カラー関係の「国際アートセラピー色彩心理協会」のWebサイトColor Link、「コロナ時代の新幸福論」のテーマイラストレーションに先日リモート講座で描いた絵を使用していただきました。コラムも大変興味深い内容ばかりです。是非ご一読を。

 

 
 
 

 <<<7月

9月>>> 
 
▲TOP
■COLUMN ●HOME